| 裁判日 | 裁判所 | 部位 | 醜状の形状等 | 達しなかった自賠責認定基準 | 認定金額 (後遺障害慰謝料) |
理由等 |
| H7.1.27 | 東京地裁 | 頚部 | 左の下顎部に長さ4cm、幅0.5cmの瘢痕 | 鶏卵大 | 200万円 | 交通事故により顔面等に残った瘢痕等は、自賠責保険の関係で後遺障害の認定基準に達するものではないとされたとしても、そのことのみをもって慰謝料請求の対象となる後遺障害は残存していないとすることはできない。慰謝料請求の対象となる後遺障害といえるか否かは、瘢痕の部位、大きさ、色彩、被害者の性別、年齢、職業等の諸般の事情を総合して決すべき。該当の瘢痕は、頚部にあるとはいうものの顔面部に近く、その長さからしても決して小さいとはいえないものであって、みみず腫の状態になっており、特に横から見た場合は人目につきやすいものであって、衣服や髪によって隠すことが困難であること、被害者が症状固定時20歳の女性であること、自賠責では顔面部であれば長さ3cm以上の線状痕は外貌醜状として評価されることなどを考慮。 |
| H13.4.24 | 大阪地裁 | 顔面 | ・右額部に直径2cm以上の陥没・隆起痕 ・右鼻翼下付近の長さ15mm、幅5mmの白っぽい線状痕(口唇瘢痕拘縮) |
10円玉硬貨大 3cmの長さ |
200万円 200万円の後遺障害慰謝料が認定されているが、14級2号の後遺障害と併せて考えられているため、醜状部分のみであればどの程度の金額認定になったのかは不明 |
2段階の認定基準の中間的な場合や認定基準にわずかに達しないような場合は、後遺障害等級が細分化されていないため、必ずしも妥当な後遺障害の等級を定めることはできないから、その後遺障害の程度を定めるに当たっては、醜状障害の部位、形状のほか、被害者の年齢、職業、配偶者の有無、その他の事情を総合考慮して、具体的に決定するのが相当。該当の醜状は2か所あり、そのいずれもが単独では12級14号の基準には達していないものの、ほぼこれに近い大きさを有しているものであること、特に上口唇瘢痕拘縮は顔面のほぼ中央部に位置していること、被害者が症状固定時30歳の未婚女性であり、顔面の醜状が結婚相手を探すうえで全く影響しないとは言い切れないことなどを考慮。 |
| H13.9.14 | 東京地裁八王子支部 | 顔面 | 上口唇部に約1cmの隆起 | 3cmの長さ | 100万円 | 傷痕の形状のほか、被害者が独身女性であること、航空機の機内通訳の乗務員という容姿が重視される性質の職務についていること、職場の同僚から外貌の変化を指摘されるなどして多大な精神的苦痛を受けていることなどを考慮。 |
| H14.11.25 | 東京地裁 | 右下腿 | ・右下肢外側に長さ23cm、幅5㎜から3.5cmの線条痕 ・右下肢内側に直径1から2cmの傷痕及び手術のボルト穴痕 |
手のひら大 | 150万円 | 醜状痕の部位、内容、程度(傷を気にしてスカートをはかない、プールに入るのも苦痛)のほか、将来の手術の可能性、被害者が症状固定時10歳の女児であることなどを考慮。 |
| H16.1.26 | 東京地裁 | 顔面と頭部の境目(頭髪内と生え際) | ・前額部左側に約30mm四方の軽度隆起と17mmの縫合痕 ・前頭部やや左寄りに幅6mm、長さ14mmの線条痕 |
頭部については鶏卵大 顔面の頭髪に隠れない部分については10円玉硬貨大もしくは3cmの長さ |
200万円 | 被害者の瘢痕は、頭髪内と前額部の髪の生え際で髪型によっては隠れてしまう場所にあり、写真上でも大きく目立つ醜状痕とは見受けられず、大きさ・場所・色素沈着の程度からは12級14号の醜状障害の程度に至っていると見るのは疑問である一方で、年齢とともに瘢痕が薄れていると認めるに足る証拠がないこと、5歳の被害者が年頃になれば醜状を気にするであろうこと、頭蓋骨に穴が開いており、生涯にわたって頭内部にネジ留めされた金属板が存在すること等を考慮。 |
| H17.5.30 | 東京地裁 | 顔面 | 鼻根部に直径1.5cm大の色素沈着・毛細血管拡張 | 10円玉硬貨大 | 200万円 | 部位、大きさ、色素沈着の程度を考慮すれば化粧等で隠すことも可能で、レーザー治療による改善の可能性もないとは言えないが、女性の顔面に醜状痕が残った場合は自賠責の後遺障害等級に該当する程度に至らないとしても日常生活や精神面における影響は無視できないものであること、被害者の職業がモデルであり、事故後にモデルの仕事を受けることができなった結果仕事を廃業していることなどを考慮。 |
| H17.11.25 | 大阪地裁 | 頭部 | 前頭部の生え際に4cmの線条痕 | 鶏卵大 | 60万円 認定された後遺障害慰謝料は750万円だが、うち690万円は9級の後遺障害慰謝料と考えられるため、差額である60万円が醜状障害部分と考えられる。 |
(症状固定時15歳の高校生について)額の上の生え際に線状痕の醜状が残ったことを考慮。 |